
今日はデイサービスのテレビで、
大谷翔平選手率いるロサンゼルス・ドジャースの試合が映し出され、
利用者の皆さんが歓声をあげながら、
体操や軽い運動に励んでいる光景がとても印象的だった。
日本の岩手県大船渡市生まれの大谷選手は、
投げて打って走る“二刀流”としてメジャーリーグを沸かせ、
その才能にふさわしい史上最高級の契約まで勝ち取っている。
試合では、豪快な一発とともに、足を使った走塁や守備にも顔を出し、
老若男女がそのパワーと躍動感に心を打たれていた。
利用者のお一人が
「彼は一生使い切れないお金を稼いだね」とにこやかに話されていたが、
その言葉が私にはぐっと胸に刺さった。
プロスポーツ選手として巨額の収入を得る姿は道を極めた象徴だ。
私が働く介護の現場では、金銭や華やかさとは別の
「日々の積み重ね」「ここに居る一人ひとりへの丁寧なケア」が、
静かに、しかし確実に価値を生んでいる。
大谷選手のように特別な才能を持つ人はほんの一握りだ。
でも、毎日デイサービスで笑顔を交わし、
体を動かし、連帯感を育む仕事の中にも、
“誰かのために尽くす”という意味では同じ土台があると感じる。
スポーツの試合という非日常の瞬間が、こうした現場に彩りを添え、
皆さんの身体と心を動かすきっかけになること。
今この時間、この輪のなかにいることの尊さを改めて噛みしめた。
大谷選手の活躍を眺めながら、私は“誰かの歓声を生む存在”になること。
それは必ずしもホームランを打つことではなく、
明日また誰かの笑顔に寄り添うこと――そんな小さな挑戦を、
今日もこの場で積み重ねていきたい。
