五月というのに晴れると7月の陽気になったり、雨が降ると4月の陽気になったりと、
気温差に体もついていくのが大変な時期ですね。
東洋医学にはいろいろある病因論のひとつに「七情の内傷なくして六因の外邪冒さず」という
諺があります。
七情の内傷とは「怒り、喜び、笑い、憂う、悲しむ、恐れる、驚く」の感情が極まりすぎて
心のストレスになっている状態をいうようです。過度の喜びや笑いもよくないということです。
六因の外邪とは「風邪、熱邪、暑邪、飲食労倦、湿邪、寒邪」の自然現象をいいます。
飲食労倦とは「飲みすぎ、食べすぎ、働き過ぎ」のことのようですので自重しましょう。
要するに感情面のストレスの影響により免疫力が弱まっていると、外からくる「邪気」自然現象によ
り病が起きということのようです。
外邪は、時には人の命を奪うこともありますので、注意しましょう。
また外邪が身体に特異的に入ってくる場所があります。
「風邪、熱邪、暑邪」は首や項から入り「湿邪、寒邪」は足首から入るといわれています。
今回は熱射病、日射病を起こす、熱や暑さの外邪についてです。
これからの時期の熱邪、暑邪は首から入るので強い日差しを直接、首や項に当てないように
タオルや手ぬぐいで覆ったり、最近では冷感タオルという優れものもありますので、
首筋を冷やすということもいいでしょうね。
首の付け根には「大椎・だいつい、」というツボですが「熱府」ともいわれ、熱を下げる効果がある
ツボです。
発熱時は、そこを指で押したり、爪楊枝で薄らと赤くなる程度、刺激するのも効果があります。
熱を下げる効果だけでなく、上げる効果もありますので寒い時期には襟巻やマフラーで覆うことで
寒さ対策になります。
なるべくなら外邪を体に入れないようにすることも大切ですが、心のストレスも過ぎないように
心身の養生をしてください。